Yu Hara | Works

原游展「Flapping」

Flapping
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  • 展覧会:「原游展 Flapping」
  • 開催期間:2021年10月28日~11月3日
  • 会場:渋谷東急本店8階美術画廊/東京

先日車での帰り道に渋滞に遭遇しました。 高速で車が動かなくなってしまいました。 隣車線にカラフルなランボルギーニ・カウンタックが 何故だか何台ものろのろ続いていました。 愛好家の集まりのようで、あまりに進まないので 突然ドアを垂直に上げるパフォーマンスをはじめました。 私は途中で自分が描いた絵のことを思い出し、 とってもいいものを見た気持ちになりました。 実際のカウンタックの扉は重そうでした。
私の絵は動きをテーマの1つにしています。 タイトルの「Flapping」は羽ばたき、ぱたぱたという動きという意味です。 カウンタックや犬、猫のしっぽの動きの描き方は、 マルセル・デュシャンの「階段を降りる裸体」から来ているように思えます。 またキッチンでの航海を描いた「To the valley」は、所々に矢印が入っていて 動きを図式的にも表していますが、これもコーヒーメーカーに矢印をつけたデュシャンの絵を 思い浮かべながら描きました。
絵は実際には止まっていますが、その中で動きを描くのはどうしてなのでしょう? 絵画は物語の中の劇的な瞬間を描いてきたというところがありますが、 動く過程を描いてしまうと、その特別な瞬間が流れていってしまいます。 また、動きを描くことは無常ということとも結びついています。 全ては変化の中にあります。 実際には動かないメディアで動きを描くことが、 何故だか動きを表現するのに適しているように思います。 コーヒーメーカーの矢印を目で追うことによって、絵の中で回すことができます。 絵の中で動きに参加しないと回りません。 「Shadow Drawing」も動かそうと思うと動きます。
青い背景の絵がありますが、そこにもっと深い青が影として入ってきています。 他の色では感じないのですが、この青と紫の組み合わせには何故だか絵に切り込みが入ったような 違う位相が見えてしまったような感覚を感じます。 「Galactic Railway」では、影と実物が反対になっていくところを描いていて 青と紫の組み合わせの持つ不思議さが、絵の内容として現れています。
「マティスの犬」は、マティスの絵に出てくる犬をモデルにして描きました。 パタパタという動きをテーマにした絵は、まだいくつか描きたいものがあります。 続けて行きたいと思います。

  
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